2011年度談話会記録
updated on 2014年04月04日 3:18 pm
話題提供者 |
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第240回 | 竹下 秀 准教授 | 太陽放射観測の現状と課題 |
10月12日 | 10:00~11:00 | 湘南 | NA |
本研究所では1990年11月より、本学湘南校舎において太陽放射の連続観測を実施している。その後、観測点を増やし、現在では、北は稚内から南は沖縄県西表島まで、全4地点で観測を継続実施している。本報では、この観測の現状と研究上の課題をまとめる。太陽放射の連続観測で最も重要なことは、計測器の感度校正とその長期変動の評価である。2003年度以降は計測を継続しながら、これらの課題解決のための研究を重点に実施している。これまでに太陽UV-B計の感度校正手法をほぼ確立し、その手法を技術移転した。また、この過程で校正に使用する標準電球についての課題が明らかになった。今後はこれらの課題に取り組むと共に、太陽放射の長期変動解析を実施する。 | ||||||
第241回 | 谷川 隆夫 教授 | 「ヘリコン源を用いた先進的無電極プラズマロケットエンジンの研究開発:
HEATプロジェクトの進捗状況」 |
10月19日 | 10:00~11:00 | 湘南 | |
惑星間、軌道間宇宙機の推進エンジンとして、高効率、長寿命などの利点により、プラズマ流を推進媒体とするプラズマロケットエンジンの開発に期待が寄せられている。推進媒体であるプラズマと直接接触する部品のない(従って、燃料を別にすれば寿命に制限がない)究極のプラズマロケットエンジンである「完全無電極プラズマロケットエンジン」開発に関する明確な指針を与えるべく研究を進めている。高密度磁化プラズマを高効率で無電極生成する方法についてはヘリコンプラズマ源(ヘリコン波と呼ばれる磁化プラズマ波動を利用する高効率な高周波利用プラズマ源)を用いて確立しているが、このヘリコンプラズマを電磁力を用いて高効率で無電極加速する必要がある。この方法を確立すべく東京農工大学の篠原教授をリーダーとするHEAT (Helicon Electrodeless Advanced Thrusters) プロジェクトとして研究開発を進めている。このプロジェクトは科学研究費補助金基盤研究(S)(2009年度 ? 2013年度)をベースとしている。既に幾つかの無電極プラズマ加速法を提案しており、理論、計算機シミュレーション、実験、いろいろな側面から加速法の最適化に向けた研究が進行中である。 | ||||||
第242回 | 横山 直樹 |
高速度ビデオにおける運動解析プログラムの開発 - GPGPUによるトレース高速化 - |
11月16日 | 10:00~11:00 | 湘南 | |
高速度ビデオ記録装置で得られた動画像を対象とし、興味のある対象あるいはその部位が、時間とともにどのように変位していくかをコンピュータを用いて解析するプログラムを開発している。対象部位の位置をサブピクセルの精度で求めるためには、画像の一致度を計算する必要があり、対象部位をとりまく画素数が大きい場合や部位の数が多い場合には、最新のコンピュータを用いても計算負荷が重く、処理時間がかかる。この画像の一致度は相互相関係数を求めることで評価するが、計算を工夫することで並列化が可能である。つまりCPUやGPUを活用して並列分散処理を行うことで、処理時間を大幅に短縮することができる。前回までで、ネットワークを用いた分散処理をPCやスーパーコンピュータの場合について紹介してきたが、今回は特に最近注目されつつあるGPUを用いての分散処理をおこない、その有効性について検討した。同等なコストのCPUに対してGPUは数倍の計算処理能力を持つことがわかった。 |